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[続編] 学生プロジェクトの継続を阻む5つの罠
2010/02/20 Sat
先日、「学生プロジェクトが陥りがちな3つの罠」という記事を書いたところ、
かなり反響がありました。特に「学生に限らず、これは企業でも陥りがちだ」という声が
多かったように思います。ありがとうございます。調子に乗って続編を書きます(笑)

前回の記事はどちらかというと学生団体や学生ベンチャーの
"スタートアップ"の時期に起こりがちな問題をまとめました。

スタートアップをうまく乗り切り、軌道に乗ったとしても、必ずしも活動が
順調に進むとは限りません。次のハードルは「活動を継続させること」です。

特に学生団体や非営利団体は収支が発生しないので、
活動を長期間継続させていくのは難しく、悩みのタネだと思います。

今回は活動を続ける上で起こりがちな5つの落とし穴を書きます。



(1)活動の自己目的化

1つは、活動の自己目的化です。

当初は熱いヴィジョンを掲げて始めたはずの活動も、やっていくうちに「何の為に
やっているか」という目的意識が希薄になり、「活動すること」や「継続すること」
自体が目的になってしまうケースが多々あります。

特に「毎月1回イベントを実施する」とか「毎月フリーペーパーを発刊する」といった、
継続することを前提とした活動の場合によく起こりがちです。

活動に慣れてくれば慣れてくるほど、仕事の効率は上がりますが、
その仕事はルーチン化し、自己目的化しやすくなります。

常に何の為にやっているかはメンバー間で確認しつつ、その活動を続ける
必要性がなくなったら、思い切って既存の活動は捨てることも重要です。
捨てることは、新しい活動の創造に繋がります。


(2)小さくまとまる

2点目は、(1)にもやや似ているのですが、活動が小さくまとまってしまうパターンです。

前回の記事で、いきなり壮大なプランを立てず、戦略的な第一歩目を
確実に踏み出すことが重要だと書きました。しかし、いざやってみると
一歩踏み出すのも案外大変であることに気付いたり、あるいは逆に、
その小さな一歩がうまくいってしまってある程度達成感を感じてしまう
というようなことがよくあります。

ベンチャーの場合は「第一歩目として始めた事業」が下手に儲かってしまうと、
そこに安住してそのスモールビジネスを何年も続けてしまうケースもありますね。
(ああ、耳が痛い笑)

いつのまにか小さくまとまってしまったプロジェクトは、
既存メンバーの士気を下げますし、新たなメンバーが集めにくくなります。

この問題に関しても、常にメンバー間で当初の熱い想いやビジョンを確認し、
現実的なプランを立てながらも常に高い目線を持つことが重要です。



(3)人材のバランスの悪さ

3つめは、人材バランスの偏りです。

学生団体とか学生ベンチャーを立ち上げちゃうようなアクティブな人は、
CSIで言うところのコントローラータイプやプロモータータイプの人が多いでしょう。
李さんの言葉を借りれば、ベジータとかルフィみたいな奴です(笑)

特にスタートアップの学生団体の相談に乗ると、メンバー全員が
ベジータとルフィだけで構成されているような場合もよくあります(笑)

企業と違って、人事担当がきちんとした採用プロセスを踏むわけではないので、
「キャラが合う人」が自然と集まって、同系統でかたまってしまうわけです。

しかし、実際にプロジェクトを円滑に進めるために必要なのは、
アナライザー(計画的な分析屋)や、サポーター(協調的な気配り屋)の存在です。

もし会議中に
「喧嘩ばっかり起こる」
「ふわふわしたビジョンの話ばかりしている」
などの傾向が出てきたら、要注意です(笑) 

プロジェクトメンバー全体の人材バランスにも気を配って、
意識的に多様なメンバーをリクルーティングする必要があるでしょう。


メンバーのコミュニケーションタイプに関しては以下の書籍が非常にオススメです。




(4)会わない

4つめは、「対面で会わない」ことです。

オフィスがある学生ベンチャーや、特定の集会場所がある学内団体であれば
問題ありませんが、複数の大学のメンバーで構成される団体は、
概して「集まる場所がない」という悩みを抱えています。

やる気に満ちあふれている最初のうちはカフェなどをうまく利用して集まっていても、
だんだんと活動がマンネリ化してくると、「面倒だし、あとはオンラインでやるか」
となって対面で会う機会が減少してくると思います。

今はメールや電話だけでなく、SNS、Wiki、Skype、Twitterなどの
オンライン上の無料コミュニケーションツールが豊富にありますから、
別にわざわざ対面で会わなくてもプロジェクトが進められるからです。

しかしながら、そういったオンラインツールに頼って対面で会う機会が減少すると、
なぜかわかりませんが全員のモチベーションがどんどん下がっていきます。
きっと対面で会うことは互いのエネルギーを高める効果があるのでしょう。

各メンバーのモチベーションが下がってきたなと思ったら、たとえわざわざ
会う目的がなくても、多少面倒であっても、対面で会う機会を無理にでも作るべきです。

お酒を飲んで話せるような機会であればベターですね。
とにかく、一定のペースで顔を合わせることが重要です。



(5)就職活動

最後は、「就活」です。

大学院に進学したり起業する人もいるかもしれませんが、
多くのメンバーは大学3年生になったら就職活動を始めるでしょう。

すると、説明会やら自己分析やらESやらで、就活が意外と大変なため、
どんなにやる気があったメンバーでもプロジェクトへのコミットがガタ落ちします。

どの団体も大学3~4年生が中心となって運営していることが多いでしょうから、
その学年のメンバーが一気に抜けてしまうのはプロジェクトにとって大きなダメージです。

「多少忙しくたって根性でカバーするさ!」と思っていても、就活は時間を奪うだけでなく、
精神的にもリソースを大きく奪ってしまうので、そううまくはいきません。

このリスクを回避するためには、メンバーの学年をばらけさせておくことです。
同学年だけでやっていると、就活の時期に一気に潰れる可能性もあります。
また、3,4年生が抜けても大丈夫なように、下の代を教育しておくことも必要です。

積極的に1年生、2年生を巻き込み、育てていく仕組み作りが重要ということです。

※5つめは内田洋平くんの指摘で追加しました。


以上、学生の組織やコミュニティを継続させる上で
なるべく回避したい5つの落とし穴を紹介しました。


最後にオマケ。

こうした問題を回避し、活動を継続させるためにオススメの方法があります。

それは、毎回の会議の冒頭で15分程度の時間をとって、

・今、自分はなぜここにいるのか
・このプロジェクトで自分は何を成したいか

を各メンバーから一人一言ずつ喋ってもらうことです。


最初は少々照れ臭い上に一見意味無さげなのですが、スタートアップの際の
溢れんばかりのエネルギーを「維持」することに少しは役立つと思います。

まぁ、騙されたと思ってやってみて下さい(笑)



安斎勇樹 on Twitter

 

コメント一覧

耳が痛いことばかり。。。
でも、大事そうだと分かっていながら目をつぶってしまいがちな、ないがしろにしがちなことこそやっぱり大事なんですね。
さいごのおまけ。やってみます!

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